eqo.xで農業の持続可能性を改善
ICLの肥効調節型肥料eqo.xは、農業の持続可能性を向上させる理想的な施肥を実現します。
どこの町や都市に行っても、農家は何をしているかと聞けば、たいていの場合、「作物・食料を栽培している 」という答えが返ってくるでしょう。歴史的にはそうであったかもしれませんが、今日ではそれ以上の意義があると、どの農家・生産者も答えるかと思います。ヒトの活動が環境に与える影響について理解が深まるにつれ、私たちは皆、自分たちの行動が広範囲に及ぼす影響について、より強く意識する昨今となりました。
世界的な人口増加に伴い、農業が直面する課題の1つは、環境を保護しながら作物の収量・品質を向上させることにあります。作物が高品質で高い収穫量を得るためには、肥料養分が必要となります。作物はこれらの栄養素の多くを土壌から取り込みますが、収穫を繰り返すと、利用可能な栄養素が土壌から枯渇します。
施肥の重要性
施肥は土壌中の栄養素を補給し、作物が必要な栄養素を利用可能にする農作業です。持続可能な土地利用のためには、施肥は極めて重要な要因となります。しかしながら、これにはコストがかかります。施肥にかかる燃料費などの金銭的コストだけでなく、同じく環境負荷もかかるのです。
しかしながら、朗報もあります。持続可能な栽培方法を取り入れることが、地球にも農家収益にも良いという知見が増えつつあるのです。
持続可能性の恩恵
この点を実証するために、ICLの革新的なコーティング技術「eqo.x」を見ていきましょう。ICLのeqo.xは、露地作物用の肥効調節型肥料です。eqo.xコーティングは、当社既存の肥効調節型肥料(CRF)と同じく高い性能を発揮しますが、栄養素が溶出すると、被膜が迅速かつ完全に生分解されるという特長もあるのです。
では、eqo.xを選ぶと持続可能性にどのように効果を発揮するのでしょうか?まず、eqo.x CRFとはどのようなものかを理解していきましょう。CRFは被覆肥料です。特殊な被膜が原肥を包み込み、養分の溶出速度、溶出パターン、肥効タイミングを制御します。技術は革新的ですが、その基本原理はシンプルです:
- 土壌水分が被膜に浸透する。
- 浸透した水分により被膜内部の肥料養分が溶け出す。
- 養分は被覆肥料の被膜を通して溶出され、作物に供給される。
CRFの特徴は、被膜が地温に応じて肥効調節を行う点にあります。地温が低いと作物の生育が遅くなり、必要とする養分供給量が減るため、CRFはその溶出を遅くします。一方で、地温が高い場合は、CRFは養分の溶出速度を上げ、必要とする養分供給量を増やしていくのです。
農作物の要求に合わせて栄養分を供給
溶出速度の改良により、作物が適切なタイミングで栄養素を吸収でき、作物の収量・品質が向上します。eqo.x CRFの場合、従来の施肥では栄養素が作物根の届かない土壌位置に溶出してしまう可能性がありますが、eqo.xの場合、施肥した栄養分の高い割合を作物が吸収できます。言い換えると、従来の施肥では、生育期を通じて必要な養分量を確保するために複数回施肥が必要になのに対して、eqo.xを1回の施肥だけで、生育期を通じて作物に必要な養分量を供給できるということになります。
eqo.xによる持続可能性のメリット
つまり、被覆肥料eqo.x は、以下の点から作物の収量・品質を向上させ、持続可能性を高めることが出来ます:
- 地温による溶出制御により、養分利用効率(NUE)を最大80%改善する。
- 養分ロスを最大50%削減し、環境負荷を低減する。
- 低施肥量でより高い収量、もしくは同等の収量を実現する。
- 養分供給のタイミングを被膜がコントロールするため、圃場を何度も行き来する必要がなく、施肥回数を減らすことができる。
- 生育期を通じて、安定的かつ予測可能な養分供給を実現する。
このように、CRFは生産者にとって持続可能性を向上させる優れたメカニズムであることは明らかです。また、eqo.xコーティング・テクノロジーにはもうひとつの特長があります。それは、被膜が生分解性であり土壌に残留物を残さないという点です。
今後の法改正について
ICLのeqo.xコーティングは、持続可能性の向上を目指す農家にとって優れたツールとなります。欧州Farm to Fork戦略と2030年EU土壌戦略によって設定された目標の中には、2030年までに養分ロスを最低50%削減する事と、CRF被膜の生分解性が施行項目として含まれています。当社のeqo.x肥効調節型肥料は、養分利用効率を向上させることで施肥のロスを減らし、収量・品質を向上させるとともに、養分溶出後、被膜は迅速かつ完全に生分解され、土壌中に残留物を残しません。
収量の向上、施肥量の削減、持続可能性の向上を目指す生産者さまにとって、当社の肥効調節型肥料eqo.x.は最適な選択肢となります。