肥効調節型肥料による優れたパフォーマンス

肥効調節型肥料 - 持続可能な未来のための確かな実績

2月 28, 2024
2分
Ronald Clemens
CRFマーケティング & ポートフォリオ マネージャー

現代農業において、肥料は非常に重要な役割を担っています。私たちが成長するために栄養素を必要とするのと同じように、植物にも栄養ニーズがあり、健全な作物の成長には通常14種類以上の必須栄養素が必要です。しかし、適切な栄養素の組み合わせを選択するだけでなく、肥料の種類を考慮することも重要です。高効率肥料(英名:Enhanced-Efficiency Fertilizers)には多くの利点があり、作物が適切な時期に十分な養分を利用できるようにすることで、信頼をおける収量と品質を確保するのに理想的です。

慣行肥料との比較

従来の肥料は、作物に必要な栄養素を供給できる一方で、溶出、揮発、脱窒、流出、土壌固定によって栄養素が環境中に失われ、施肥効率が低下することがよくあります。

高効率肥料は、特に養分ロスの問題に対処するために設計されています。

現在使用されている高効率肥料には、緩効性肥料、硝化抑制剤入り肥料、肥効調節型肥料の3種類があります。

緩効性肥料

緩効性肥料は、長期間(一般的には6週間程度)にわたって養分を供給 します。この有効期間は、土壌の温度、水分、土壌の pH、土壌中の微生物の活動など、多くの要因に左右されます。

緩効性技術は栄養分の損失を防ぐことができ、芝地、庭園、造園にうまく使用されています。しかし、生育サイクルが長い作物や特定の養分を必要とする作物を扱う場合、無機化や溶出期間に影響を与える要因が多いため、緩効性肥料の有効性には議論の余地があります。

硝化抑制剤入り窒素肥料

硝化抑制剤入り窒素肥料は、揮発や溶出による窒素の損失を防ぐことを目的として設計されています。その名(英名:Stabilized nitrogen fertilizer)が示すように、窒素は硝化抑制されて、土壌中に安定して吸着されやすいアンモニア態窒素のまま長期間維持されます。

この技術は窒素ロスを軽減することができますが、硝化抑制剤入り窒素肥料の効果は土壌の種類、pH、温度に影響されます。つまり、高温や高pHまたは低pHの土壌では、これらの肥料の効果が低下する可能性があり、また、粘土粒子や有機物への収着、あるいは非標的微生物による固定化も、肥料効率を低下させます。さらに、硝化抑制剤入り窒素とリン酸肥料を混合すると、化学的相互作用が起こり、これらの窒素肥料の安定性が低下する可能性があります。

肥効調節型肥料(CRF)

肥効調節型肥料(被覆肥料)はより汎用性が高く、作物の生育サイクル全体を通して最適な栄養量を供給し、1ヶ月から1年半まで幅広い肥効期間を持ちます。土耕作物に栄養を与える最も汎用性の高い肥料です。

ICLの肥効調節型肥料は、2層の完全生分解性被膜で被覆された肥料粒子で構成されています。内部の栄養素は土壌の水分によって溶解し、根域に溶出されます。

CRFが他のタイプの肥料と一線を画すのは、土壌温度のみによって制御される溶出メカニズムであり、土壌のタイプやpH、その他の要因から影響を受けないという点にあります。つまり、溶出速度はより予測しやすく、作物の生育サイクルによりよく適合します。

被覆尿素は従来の尿素と比較して、あらゆる種類の窒素ロスを削減し、作物の養分利用効率を向上させます。さらに、この肥料は溶出と揮発による窒素損失を最大60%削減し、脱窒による損失を10%以上削減します。

養分利用効率が80%向上するということは、施用量を最大30%削減できることを意味し、生産者は施肥回数を減らすこともできるため、労働力と資源を節約することができます。

独自の研究によって実証されたこれらの利点は、肥効調節型肥料が緩効性肥料の中でも基準的な肥料であり、現代農業に欠かせない優れたツールである理由を明確に示しています。