秋まき小麦へのBIOZ ネフライト

30.0

1株穂重の増加率
BIOZ ネフライトの施用で秋まき小麦の1株穂重で30%の増加

北海道網走郡美幌町
2024

Trail

30.0

1株穂重の増加率

試験の結果

  • 収量性の向上 – 起生期~出穂期前におけるBIOZネフライトの施用により、1株穂重で30~55%増加した。
  • 平均穂長への影響 – BIOZ ネフライトを施用した試験区では、平均穂長で7.2~18.4%高い値を示した。穂数合わせた株ごとの比較でも試験区の穂が長い事を確認できた。
  • 枯れあがりへの影響 – 6月上旬にBIOZ ネフライトを50 g/10a施用した試験区では穂が青々としており、穂の枯れあがりを遅らせた。

背景と目的

葉面散布剤「BIOZネフライト」は、モリブデン及び生物的・非生物的ストレスによって生じるフリーラジカルの増加に対抗するための超微量要素と植物成長ホルモン前駆体が配合されているバイオスティミュラントである。製造国ブラジルでの過去の事例では、イネ科作物へのBIOZネフライト施用により、慣行栽培もしくはCoMo材(コバルト・モリブデン含有資材)を施用した処理区に比べ、窒素利用効率の向上により、増収している。

今回は、北海道美幌町内で平均的な反収を達成している生産者圃場にて、BIOZ ネフライトの葉面散布が、どの程度の増収効果をもたらすか評価する目的で試験を実施した。

試験詳細

試験地域

北海道網走郡美幌町

作物

小麦

製品

Nephriteネフライト

評価一覧

1株穂重(g/株)、平均1穂重(g/本)、平均穂長(cm)

処理区

秋まき小麦を栽培する生産者圃場で下記の4処理区を設けて試験を行った。

処理区区画名BIOZネフライト施用量施用時期
1慣行区0 g/10a-
2試験区A50 g/10a起生期の4月18日
3試験区B50 g/10a出穂期前の6月10日
4試験区C50 g/10a (25 g + 25 g)4月18日と6月10日に分けて

耕種概要は下記の通り。

品種ゆめちから
播種日2023年9月25日
播種量4kg/10a
基肥NPK 5.3-6.0-2.6kg/10a
追肥NPK 17.98-0-0kg/10a(主に粒状尿素を複数回施用)
散布水量100L/10a(混用薬剤なし)

 

処理区

秋まき小麦を栽培する生産者圃場で下記の4処理区を設けて試験を行った。

処理区区画名BIOZネフライト施用量施用時期
1慣行区0 g/10a-
2試験区A50 g/10a起生期の4月18日
3試験区B50 g/10a出穂期前の6月10日
4試験区C50 g/10a (25 g + 25 g)4月18日と6月10日に分けて

耕種概要は下記の通り。

品種ゆめちから
播種日2023年9月25日
播種量4kg/10a
基肥NPK 5.3-6.0-2.6kg/10a
追肥NPK 17.98-0-0kg/10a(主に粒状尿素を複数回施用)
散布水量100L/10a(混用薬剤なし)

 

結果一覧

図1:1株穂数(本/株)

エラーバーは標準偏差を表す。N=20である。

 

図2:1株穂重(g/株)

エラーバーは標準偏差を表す。N=20である。

 

図3:平均1穂重(g/本)

エラーバーは標準偏差を表す。N=20である。

 

図4:平均1穂長(cm)

エラーバーは標準偏差を表す。N=20である。

 

写真1:慣行区と試験区Aの比較

写真2:慣行区と試験区Bの比較

※試験区Bは慣行区、その他の試験区と比較して穂に青みが残っている状態。

 

写真3:慣行区と試験区Cの比較

 

考察:今回は、秋小麦の起生期、出穂期前の生育ステージに分けて、BIOZネフライトの葉面散布による施用効果を検証した。1株穂数・1株穂重はエラーバーの範囲が大きく統計上の有意差は示されないが、平均穂重・平均穂長では各試験区において明確な有意差が確認できた。BIOZネフライトの起生期~出穂期前における施用が、小麦植物体内の窒素代謝に有益に働いた可能性を示した。追肥が硫安でなく尿素であったことにも留意したい。窒素は小麦の生育に非常に重要な養分であり、特に超強力小麦「ゆめちから」では、タンパク質含量が低くならないように止葉期以降の窒素追肥が推奨されている。従って、窒素の利用効率の向上により、収量と品質を改善する余地の大きい栽培体系が実践されている。

試験区Bは、対照区含む他の処理区に比べて枯れあがりが遅く、穂が青々としている状態であった。要因としては、収穫1ヵ月半ほど前の施用ということもあり、BIOZネフライトの作用により植物体の老化がやや抑制されたものと推察される。なお、試験圃場の平年反収は美幌町内平均と同程度~やや高水準であり、2024年は、平年に比し17%程度の増収傾向であった。タンパク質含量は目標の14%に到達している。本試験結果は、このような栽培体系において、50 g/10aという微量のBIOZネフライト施用により、収量性が大きく改善できることを示唆する。

 

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