春まき小麦へのBIOZ ダイヤモンド
7.3
北海道富良野市山部 2024
7.3
試験の結果
- 収量性の向上 – 播種後の土壌処理剤との混用施用により、1株穂重で7.3%増加した。
- 平均根長の向上 – 播種後約45日目(栄養生長期)において、平均根長が18.3%増加。
- 発芽揃いの改善 – 播種後約30日目の生育揃いが、慣行区と比して良好であることが目視で確認された。
背景と目的
「BIOZダイヤモンド」は、糖蜜などの複数の有機物をベースにした腐植酸資材(フルボ酸資材)で、土壌肥沃度、土壌緻密度、土壌微生物叢など、土壌の化学性・物理性・生物性を改善するバイオスティミュラントとなっている。製造国のブラジルでは、主に不耕起で栽培される大豆、とうもろこし、小麦などで、播種前後の土壌施用により、土壌の圧縮(コンパクション)を軽減し、作物根の発達や養分利用率の向上結果が報告されている。
今回は、北海道富良野市山部の春まき小麦生産者圃場にて、播種後におけるBIOZダイヤモンドの土壌処理剤混用施用が、小麦の生育・収量にどのような施用効果をもたらすか評価するため、試験を実施した。
試験詳細
試験地域
北海道富良野市山部
作物
小麦
製品
Diamond
評価一覧
1株穂重(g/株)、平均1穂重(g/本)、平均根長(cm)
処理区
春まき小麦「春よ恋」を栽培する富良野市・生産者圃場で下記の処理区を設けて試験を行った。
処理区 | 区画名 | BIOZダイヤモンド施用量 | BIOZダイヤモンド施用時期 | 土壌処理剤 |
---|---|---|---|---|
1 | 慣行区 | 0ml/10a | - | プロスルホカルブ・リニュロン乳剤 |
2 | 試験区 | 250ml/10a | 2024年4月22日(土壌処理剤混用) | プロスルホカルブ・リニュロン乳剤 |
耕種概要は下記の通り。
品種 | 春よ恋 |
播種日 | 2024年4月18日 |
播種量 | 18kg/10a |
基肥 | NPK 8.0-14.4-9.6 kg/10a |
追肥 | NPK 4.2-0-0 kg/10a |
散布水量 | 100L/10a |
処理区
春まき小麦「春よ恋」を栽培する富良野市・生産者圃場で下記の処理区を設けて試験を行った。
処理区 | 区画名 | BIOZダイヤモンド施用量 | BIOZダイヤモンド施用時期 | 土壌処理剤 |
---|---|---|---|---|
1 | 慣行区 | 0ml/10a | - | プロスルホカルブ・リニュロン乳剤 |
2 | 試験区 | 250ml/10a | 2024年4月22日(土壌処理剤混用) | プロスルホカルブ・リニュロン乳剤 |
耕種概要は下記の通り。
品種 | 春よ恋 |
播種日 | 2024年4月18日 |
播種量 | 18kg/10a |
基肥 | NPK 8.0-14.4-9.6 kg/10a |
追肥 | NPK 4.2-0-0 kg/10a |
散布水量 | 100L/10a |
結果一覧
図1:1株穂重(g/株)
エラーバーは標準偏差を表す。N=20である。
図2:平均1穂重(g/本)
エラーバーは標準偏差を表す。N=20である。
図3:平均根長(cm)
エラーバーは標準偏差を表す。N=12である。
※5月30日採取株を調査(播種後約45日後、栄養生長期)
写真1:慣行区と試験区の比較(1株穂)
写真2:慣行区と試験区の比較(試験圃)
※2024年5月17日撮影
写真3:慣行区と試験区の比較(栄養生長期、採取株)
※2024年5月30日撮影
考察:BIOZダイヤモンドの土壌処理が春小麦への生育・収量に及ぼす影響について、5月・7月の2回の調査をもとに検証を行った。結果、無処理の慣行区に比して、生育調査では1株当たりの平均根長で18.3%の増加、収量調査では1株穂重で7.3%の増加傾向となった。播種後、約30日後の5月17日の試験圃写真(写真2)を見ても、発芽後の生育揃いが良いことが目視で確認され、今回試験を実施いただいた生産者の声としても、初期生育が相対的に良かったとの評価。試験圃の土壌は、粘土質の強い灰色低地土(水田転換畑)であるため、BIOZダイヤモンド施用による土壌物理性・化学性の改善が、作物根の発達、ひいては一穂重の増加につながったものと考察された。
試験圃の春まき小麦平年反収は、富良野市平均を上回っており、2024年は反収10.5俵を記録したとの事であった。